COLUMN 現代社会 2019.02.07

坐禅をすると業績が上がる!?

アップルのスティーブ・ジョブズが禅をヒントに画期的な製品を世に出したといわれています。また、多くの有名経営者が坐禅をすることもあって、経営における禅が注目されています。ところで、本当に坐禅をすることによって会社の業績があがるのでしょうか。

禅ブランディング事業の一環として、2018年11月に取締役、管理職についている方を対象にネットリサーチを行いました。このコラムではその一部を紹介します。年1回以上坐禅をするグループと、坐禅を1回は経験したことはあるグループにわけて、「売上高が増えた」、「純利益が増えた」、「負債が減った」について7点尺度で依頼した回答を比較してみます。

業績と禅の関係

注:サンプルサイズは、年1回以上禅を行うグループが409、経験ありのグループが1,017である。

年1回以上坐禅を行っているグループの平均値のほうが、経験があるグループよりも、売上高が増えた、純利益が増えた、負債が減った、というすべての項目について高い平均値を示しました。このことは、定期的に坐禅を実践するグループの方が、定期的には坐禅を行っていないグループよりも、業績がいいと感じていることを示す内容となっています。

しかし、この調査では、実際の業績の変化がわかりません。具体的な売上高などが、いつからいつまでの間に、どれだけ変化したのかを確認したわけではありません。ここでいう業績とは7点尺度に落とし込まれた回答者の認識です。

また、坐禅をすれば、スティーブ・ジョブズのようにセンスが磨かれて、会社の業績が良くなる、というわけでもありません。たとえば、「業績が良くなったから時間的な余裕ができたので、坐禅を年1回以上実践できるようになった」可能性もあります。(そもそも見返りを求めて坐禅をするのは本来の姿とは遠い感じがします)

今回の調査は、検討すべき点が数多くあるものです。しかし、坐禅と業績との可能性を示した興味深いものでもあります。

あくまで可能性の話ですが、定期的に坐禅をしているような会社が好業績であるのは、なにも不自然ではありません。定期的に坐禅をするような会社であれば、そもそも会社内でのコミュニケーション、計画や運営などがちゃんとしているのでしょう。それほどちゃんとした会社なら業績も上がりやすい、というのは納得できる結論ではないでしょうか。繰り返しになりますが、これは可能性の話です。

今回はここまでです。今後も経営・ビジネスと禅の関係を調査してまいります。

現代社会チーム

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