2018.11.26 レポート

『禅と心』シンポジウム「ーなぜ禅は人をひきつけるのか。ー」の報告 

2018年11月16日(金)に『禅と心』シンポジウム「ーなぜ禅は人をひきつけるのか。ー」が開催されました。
10:00から12:30までを第1部とし「道元禅とマインドフルネス」というテーマでご講演がありました。


講演に先立ち、駒澤大学学長の長谷部八朗先生より開会のご挨拶がありました。


司会は駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授の各務洋子先生におつとめいただきました。
各務先生からは本シンポジウムが学際的でチャレンジングな試みであることが紹介されました。




まず早稲田大学人間科学学術院教授の熊野宏昭先生による特別講演「マインドフルネスとは」がありました。
マインドフルネスの成り立ちと現状についてご講演頂き、とくにマインドフルネスと禅との共通点についてご報告頂きました。




続いて、駒澤大学仏教学部教授の角田泰隆先生より「道元禅と坐禅」というご講演を頂きました。
角田先生からは只管打坐を説く道元禅師の思想とマインドフルネスとの共通点と相違点について貴重なご指摘を頂きました。




13:30からは第2部とし、「組織経営と禅・マインドフルネス」というテーマで開催されました。
まず(株)シマーズ代表取締役の島津清彦社長より、「今、なぜ禅的経営なのか?」と題して、禅による経営についてご報告がありました。
自身の挫折経験と企業再生での成功体験、そして禅語による「気づき」をもとにした「禅的経営」についてご紹介いただきました。




続いて徳善寺住職の尾崎正善先生より「教団組織運営と人材育成―輪住制度と清規・修行の特徴を通して―」と題してご講演頂きました。
日本禅宗による「輪住制度」という寺院運営のノウハウや、清規(しんぎ)という儀礼・修行のマニュアルに基づく僧堂修行の特徴についてご報告いただきました。

15:15からは第2部の「組織経営と禅・マインドフルネス」というテーマでパネルディスカッションが開催されました。
ご講演頂いた島津清彦社長、尾崎正善先生に加えて駒澤大学高等学校校長の貫井洋先生にパネリストをおつとめいただきました。
またコメンテーターを駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授の山口浩先生がつとめ、ファシリテーターを駒澤大学経営学部教授の青木茂樹先生がつとめるパネルディスカッションが行われました。



左側より、青木茂樹先生(ファシリテーター)、貫井洋先生(パネリスト)、尾崎正善先生(パネリスト)、島津清彦社長(パネリスト)、山口浩先生(コメンテーター)となります。


まずファシリテーターの青木茂樹先生より、組織経営と禅との関連性について問題提起がなされました。
パネリストの貫井洋先生からは、駒澤大学高等学校での禅に基づく教育の実例をご紹介頂きました。




コメンテーターをおつとめ頂いた山口浩先生からは、アップルの共同設立者であるSteve JobsとSteve Wozniakに見られるような「異なる力の組み合わせ」が指摘され、禅のもつ可能性についてコメント頂きました。


こうしたディスカッションを踏まえ、フロアからの質問もあり、活発な意見交換が行われました。17日のシンポジウムの模様も追ってご報告いたします。

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